不妊治療のはじめの段階で「フーナーテスト」と言う検査があります。
精子の数、精子の運動率に関する異常を検査する一つの方法です。
不妊治療を開始する人には外せない検査になると思います。
今回、フーナーテストがどのような検査なのかを詳しく書きましたので、参考にしていただければと思います。
また、検査の結果が良くなかった場合の対処法についても書いてありますので、当てはまる方にも参考にしていただければと思います。
フーナーテストとは
フーナーテストは、簡単にいうと"元気な精子が子宮にどれくらい入っていけるか?"を確認する検査です。
なので精液検査とは違い、精子の問題だけでなく、女性側の問題も調べます。
具体的には、
❶子宮頚管の粘液に異常がないか?(女性側)
❷精子が子宮頚管内で元気に動いているか?(男性側)
この2点を調べています。
子宮頚管は下記の図にあるように子宮の入り口にあり、膣と子宮をつなげている部分です。
画像引用元:こそだてハック「子宮頚管の長さが短いと切迫早産になるの?頚管長の平均は?」
フーナーテストのタイミングと検査方法
【検査のタイミング】
フーナーテストはいつ検査することが出来るのでしょうか。
この検査には、子宮頸管粘液の粘度が影響してきます。
検査で一番最適な時期は、子宮頚管の粘液が最も増えて精子が侵入しやすい「排卵前後」になります。
実際に検査を受けるためには、検査の3時間前から6時間前に性交渉をおこなうのが理想的とされており、検査当日の朝がベストです。
【検査方法】
検査は、針のついていない注射器で子宮頚管から粘液を採取します。
この時、痛みを感じる方は少ないので安心して下さい。
大概の病院では、採取後すぐにモニターで精子の数や運動率を確認できます。
下記の表にまとめていますが、10個以上あれば良という判定をします。
運動精子の数 | 判定 | |
15個以上 | 優 | 妊娠する可能性が高い |
10~14個 | 良 | 妊娠は十分期待できる |
5~9個 | 可 | 妊娠は期待できる |
4個以下 | 不良 | 妊娠する可能性が低い |
また、採取した子宮頚管粘膜の異常がないかも調べます。
異常とは「子宮頚管内に炎症」「抗精子抗体」を持っている可能性があるかどうかです。
「抗精子抗体」とは、精子を異物として判断して作られる抗体の事です。
【検査費用】
検査の費用は、保険適応になる事も多いため、平均1000円程度と負担額も少なめになっています。
フーナーテストの結果が悪かった場合
フーナーテストは、「男性の体調が悪かった」「排卵日ではなかった」などで結果が不良になる可能性もあります。
一度、不良という結果が出ても落ち込まないでください!
私も、一度目のフーナーテストでは精子がいない!という結果に終わり、旦那が非常に落ち込んでいましたが、2度目のテストではしっかりと精子を確認できました。
このような可能性を考慮して、通常検査は複数回行われます。
複数回繰り返しても結果が不良だった場合には、男性側・女性側それぞれの原因があるかもしれません。
男性側の原因の場合
フーナーテストの結果で精子が少なかったり運動率が悪いと、更に詳しく精子自体の検査をします。
対処としては、タイミング法でなく体外受精や顕微鏡受精に変更することもあります。
女性側の原因の場合
- 粘膜が少ない、質が悪い
- 精子抗体の存在
・粘膜の量や質が悪い場合は、ホルモン剤や人工授精等で対処していきます。
・精子抗体がわかった場合は、妊娠が難しくなるので体外受精や顕微鏡受精を検討することになります。
まとめ
フーナーテストは、その日の体調によっても結果に大きく影響されます。
一度の検査だけで判断するのではなく、数回検査を受ける事をお勧めします。
ゆみ