こどもは風邪をひくと中耳炎になりやすいと言われます。
こどものうちにおよそ7割は中耳炎にかかると言われています。
「中耳炎」は私たちにとって非常に身近な疾患です。
しかし、耳の病気は外から見てもわからないので気づきにくい病気です。
話すことのできない赤ちゃんなら尚更気づきにくいでしょう。
今回は「中耳炎」の症状や治療方法に関して詳しく書きました。
中耳炎とは
出典;たかはし耳鼻科
中耳炎とはどのような病気かと言いますと・・・
鼓膜(耳の奥にある)の奥には部屋みたいな場所があり、 この部屋を中耳(ちゅうじ)といいます。
ここにうみがたまる事を中耳炎と呼んでいます。
なぜ中耳炎になるの?
細菌やウイルスが鼻から入り、鼻水から増殖した菌が耳に移行し「中耳炎」を引き起こすためです。
こどものうちは、風邪をひく回数が多いため中耳炎になる確率が高いのです。
こどもにかかりやすいのには、もう一つ理由があります。
上の図の子供の耳と大人の耳を比較して頂きたいのですが、
こどもの鼓膜の方が大人に比べ、水平に近い形をしています。
そのため、大人よりも菌が入りやすいからです。
中耳炎には2つのタイプがあります。
- 急性中耳炎
- 滲出性中耳炎
それぞれの違いを見ていこうと思います。
急性中耳炎と滲出性中耳炎
急性中耳炎
中耳炎初期の状態を急性中耳炎と言います。
風邪などの細菌やウイルスが中耳に入り、急性の炎症を起こしている状態です。
こどもの中耳炎の殆どが急性中耳炎と言われます。
症状
・耳を痛がる、触る
・耳だれ
・色がついた鼻水が出る
・発熱
・機嫌が悪い
治療
主に抗生物質や痛み止めを使います。
症状が重い場合は、鼓膜切開により膿を出します。
熱がある場合は冷やすようにしてください。
冷やす時は、一ヶ所が集中的に冷えないように、保冷剤をタオルで巻いたり冷やす場所を動かしたりしてください。
急性中耳炎の時の注意点
- 痛みがないようで熱がなければ、お風呂に入っても大丈夫です。
しかし、耳の中に水が入ると症状が悪化する可能性もあるので注意してください。
- 急性中耳炎の程度によっては、プールに入ったりできる場合があります。
必ず医師に相談してください。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎とは、中耳に滲出液(組織からしみでた液)がたまる病気です。
滲出液は、炎症が起きたあとに分泌されます。
急性中耳炎が治っていく段階として、うみがだんだん抜けていく状態を指すこともあります。
赤ちゃんの場合は中耳炎になっても滲出液がでていきやすいので、滲出性中耳炎になりにくいといわれています。
もっともかかりやすいのは、2~3歳から小学校低学年にかけての時期です。
この時期は耳管が短いわりに、耳管が細長くなってきて滲出液が出ていきにくくなりますので、滲出性中耳炎になりやすいのです。
症状
急性中耳炎のような症状が全くありません。
そのために発見が遅れる場合がありますので、耳を触ったり、声をかけても気づいていない、などいつもと違う様子だったら病院に行った方が良いでしょう。
治療
病院に通い中耳にたまっている滲出液をなくす治療をします。
症状が軽い場合は、薬による治療や、鼻から耳に空気を送る耳管通気という処置などを行います。
症状が重い場合は、鼓膜を切ってうみを吸い出す鼓膜切開を行います。
滲出性中耳炎の時の注意点
滲出性中耳炎の時も、お風呂やプールは症状の程度によって入っても大丈夫ですが、
必ず医師に相談してください。
まとめ
こどもの時期は中耳炎になりやすいです。
中耳炎は完治するまでに時間が掛かりますので、根気強く治療する必要があります。
治療が不十分だと中耳炎を繰り返すことがあります。
繰り返すことで慢性的になると酷い場合だと難聴になることもあるのです。
治療には、しっかりと最後まで付き合ってください。
ゆみ