今回は、不妊治療の治療法である体外受精・顕微鏡受精に関して詳しく書きたいと思います。
不妊治療全体の話は、(過去記事:🔗不妊治療のはじめ方)に記載しております。
体外受精とは?
体外受精とは、女性の卵巣内から卵子を取り出し、体外で精子と受精させ、子宮内に戻すと言う治療法です。
タイミング法・人工授精で妊娠できなかった方が次のステップとして勧められる治療法です。
体外受精の流れ
1 排卵させる
ホルモン剤を使って排卵のコントロールをおこない、質のいい卵子を育てます。
卵子を体外に出す日の直前(2日前ぐらい)に、排卵を促す「排卵誘発剤」を使用します。
通常、この誘発剤を打ってから36時間あたりで排卵するといわれています。
2 採卵
卵子が十分に育ったら採卵がおこなわれます。
採卵は膣から針のついた管を入れ、卵胞にさして卵子を吸引し採取します。
受精はこの採卵日に行うため、男性にも病院に来てもらい精子を採精してもらいます。男性が来れない場合は、その日に取った精子を持参することも可能です。
3 受精させる
それぞれ取り出した卵子と精子をシャーレ上で受精させます。
ここでおこなわれる受精の方法には、体外受精と顕微鏡受精の2種類法があります。
体外受精
体外受精の場合は、シャーレ上に卵子を乗せ、そこに元気のいい精子を選び卵子と合わせることで、精子が自ら受精させます。
顕微鏡受精
顕微鏡受精は、顕微鏡を見ながら卵子に精子を受精させます。人の手によって受精させるのです。
こちらは、体外受精のステップアップとしておこなわれることが多いです。
しかし、私が不妊治療をした病院では体外受精を飛ばし確率が高まる顕微鏡受精をすすめられました。
4 胚培養
受精した受精卵を着床に適した状態まで培養(育てていく)していきます。
5 胚移植
胚(細胞分裂した受精卵)が育ったら子宮に移植していきます。
移植の方法も2種類あります。
- 受精後2〜3日の胚を移植する方法
- 受精卵を5〜6日培養し、「胚盤胞」と呼ばれる着床寸前の胚を移植する方法
後者のほうが着床はしやすいとされています。
この胚を移植したら体外受精は終了となります。
移植から2週間後に妊娠の有無の検査がおこなわれます。
体外受精の妊娠率
体外受精の"妊娠率"は、30歳で約42%、40歳だと約26%と言われています。
また、妊娠した受精卵が流産などせずに、無事出産に至る確率を"生産率"といいます。
この生産率で比較すると、
30歳で約21%、35歳で約18%、40歳だと約9%と下降していきます。
体外受精も自然妊娠と同じように、高齢になればなるほど、確率が下がっていきます。
体外受精の費用
体外受精の金額は、1回に平均20~60万円とされています。
保険外の治療となるため、病院によって金額もバラつきがあります。
(参考として・・・大阪の体外受精のおこなっている病院で金額の比較をしてみました。→ 「吹田市近辺で体外受精を行っている病院を徹底調査!!」)
体外受精は決して安くはありません!!
しかし、可能性のある治療でもあります。
お住まいの地域にも不妊治療に対する補助金もありますので、上手に利用しながら治療が出来ると良いですね。
体外受精のリスク
体外受精は子供を望む夫婦にとっては希望の治療です。
しかし、高度な治療にはリスクも伴ってきます。
一般的に言われているリスクは
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
先天性奇形の発生
採卵時の際のリスク
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
排卵誘発剤などホルモン剤を使ったことで起こる副作用です。
反応が強すぎた際に過剰な数の卵胞が発育して、卵巣過剰刺激症候群になる場合があります。
卵巣が腫大し、腹水が溜まったりすることもあります。
採卵時のリスク
腹腔内出血や感性症と言ったリスクです。手術をするわけですから、稀にですが起こる可能性もあります。
ここまで、体外受精のお話をしました。
金額やリスクを考えると決して安易に決断できないかもしれませんが、不妊で悩まれてる夫婦にとっては、すごく可能性のあるものです。
私は二人目不妊治療ですが、先日卵管が両方詰まっていると言われました。
子供が欲しければ、卵管のつまりをよくする手術か体外受精と言われました。
今現在はこの先、体外受精をしようかなと考えています。
体外受精とは縁遠いものだと思っていましたが、まさか自分がおこなうかもしれないとは想像もつきませんでした。
しかし、この治療法は可能性をグッと高めるものでもあります。
不妊で悩んでいる方に少しでも情報になれば幸いです。
ゆみ
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